EC販売のプロとして国産食材の新規顧客や継続購入の獲得を実現
株式会社Tokka
東京都
取組2
インターネット販売事業者と連携した取組

EC事業の知見や独自のノウハウを生かして販売の面から国内生産者をサポート
「全国産直お取寄せ TOKKA -トッカ-」というブランドで楽天市場、Amazonなどの各種ECモールに出店し、国産食材を産地直送で全国の消費者に届けている株式会社Tokka。代表の野田健士さんはEC事業や事業開発の分野の知見を生かして同社を2年前に立ち上げ、こだわりを持って良いものを作り出している生産者をサポートする事業の一環として、ECモール上での商品企画や販売を手掛けています。
生産者自らがマーケティングや販売まで行うのではなく、「生産」と「販売」それぞれの分野のプロが連携し、パートナーとして一緒に取り組むことで共に事業成長できる世界の実現を目指す同社は、新型コロナウイルス感染拡大を背景に売り上げが大幅に減少している生産パートナーを支援するために本事業に参加し、ECモール内の店舗において「農林水産品特集」として送料無料で販売するキャンペーンを展開しました。
人気商材で新規顧客を獲得。メルマガを通してリピーターへと育成
今回、「農林水産品特集」として取り上げたのは牛肉と鯛。いずれもインターネット販売の世界において売れ筋の食材です。
同社では、まずは市場ニーズの高い人気商材をフックに新規顧客を獲得し、リピーターに育て、最終的に自社がもっとも売りたい商品の販売につなげていくのが勝ち筋だと考えています。
今回の取り組みでも牛肉という人気商材を、売れ筋の容量や価格帯で販売したことで通常時の2倍ほどの売り上げを達成し、多くの新規顧客を獲得。生産パートナーからも非常に喜ばれたそうです。
しかしお得なキャンペーンを通して新たなお客様を獲得しても、1回の購入で終わってしまっては意味がなく、いかに継続購入してもらえるかが重要です。多くの生産者にとってその点が大きなハードルとなっており、同社のような存在がもっとも価値を発揮するところです。
主にはメールマガジンを使って継続的にアプローチしていくことになりますが、その考え方は対面販売と同じと語る野田さん。「届いてから何日経ったからそろそろ食べた頃かな」など、お客様の状態を想像し、どのように語りかけたら商品に興味を持ってもらえるかを考えていけば良いと言います。クーポンなどを提供する場合もありますが、それは購入への最後の一押しをするツールに過ぎません。
今回の取り組みでも実際に、これまで主に海外産の食材を選んでいたお客様がキャンペーンをきっかけに国産食材を購入し、その後継続的に購入しているケースもあるそうです。

日本の農業の発展に寄与すべく事業の拡大を目指す
本取り組みは、消費者に国産食材の魅力を改めて知ってもらったり、国産食材を消費する意義を理解してもらう機会となり、売り上げの面でも一定の成果を得られることが証明されたため、今後も同様の事業に参加し、品目を増やして実施していく予定という同社。
また、大手ECモールへの出店は、多くの潜在顧客が存在する一方で、システムの面で様々な制約があり、本当に伝えたいことが伝えられないというジレンマがあることから、今後は独自のECモールの立ち上げも計画されています。
同社が目指すのは、生産者のこだわりが詰まった国産食材が正当に評価される世界。自らが事業拡大することで生産パートナーや関係各社にもより多くの利益をもたらし、日本の農業の発展に貢献していきたいと展望を語ります。
